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有責配偶者からの離婚請求

不貞をしたような有責配偶者は、どのようなときに離婚できますか

一般的な判断枠組みとしては、相当期間の別居をし、経済的手当をしていることが必要と考えられています。

1 判例の示した要件
かつては不貞をした有責配偶者からの離婚請求は認めないとされていましたが、①夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、②その間に未成熟の子が存在しない場合には、③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、有責配偶者からの離婚請求も認められるとされています(最高裁1987年9月2日判決)。
傾向としては、別居期間が10年以上に達していれば、離婚が認められやすく、6~8年程度だと十分な経済的給付をしているとかの事情がないと離婚が認められないこともあると言えます。
最近は別居期間について相当緩和して判断した裁判例も現れていますが、依然として厳格に判断している例もあります。

2 最近の緩和した事例
(1) 東京高裁平成26年6月12日判決
不貞をした妻からの離婚請求で、婚姻期間約9年間のうち同居期間約7年間、別居期間約2年間で、6歳と4歳の子どもがいるという事実関係でありながら、離婚を認めている。
もともとは夫からも離婚を求めていたとかいった事情も考慮されているが、従来の判例から外れた判断と言える。
(2) 横浜家裁川崎支部平成29年3月9日判決
不貞をした夫からの離婚請求で、別居期間約2年8か月・同居期間が約1年9か月(夫33歳,妻32歳)の事実関係で「別居期間が相当の長期間に及んでいる」と評価し(子どもはいない)、夫が月額10万円の婚姻費用を毎月支払っており,また,320万円を支払うことを申し出ていることなどから、妻が離婚により精神的・経済的に極めて苛酷な状況に置かれるとはいえないとして離婚を認めた。
(3) 札幌家裁平成27年5月21日判決
不貞をした夫からの離婚請求で、婚姻期間約18年半・別居期間約1年半、就学前の未成熟子である長男(平成10年生)・長女(平成12年生)がおり、妻はパート社員で、離婚により「一定程度経済的に余裕のない状態となる」と認めながら、妻が夫名義で借金をくり返していたなど婚姻関係の破綻に至ったのは妻にも一定程度の有責性があることなどを考慮して、離婚を認めた。
しかし、控訴審の札幌高裁平成28年11月17日判決は、従前の判例の要件に沿って検討し、離婚請求を棄却している。

このように、踏み込んだ判断を示した例もあるものの、従前の判例に沿って厳格に判断している例もあります。

3 一度離婚が否定されても、再度挑戦することは可能
仮に離婚請求が認められない判決が確定した場合であっても、後日改めて離婚調停・訴訟を起こすことは可能です。その場合、別居期間も、改めてカウントすることにはならず、本来の別居時点からの期間でカウントされます(高松高裁平成27年11月12日判決、福岡高裁那覇支部平成15年7月31日判決)。
有責配偶者からの離婚請求は裁判官の感覚でも判断が分かれる部分ですので、ひとまず訴訟でチャレンジしてみるというのも1つの方法です。