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離婚後に元配偶者が死亡した場合の年金分割

離婚した後に年金分割請求をしようと思っていたら、元配偶者が死亡しました。この場合に年金分割は可能ですか。

合意分割はできないケースが多いです。第3号分割は可能ですが、すぐにしないといけません。

1 死亡した場合の考え方
一般に、当事者が死亡した場合には死亡した者の標準報酬は存在しないことになり、年金受給権は年金を受ける者だけの権利で相続の対象にもならないので、年金分割は原則としてできなくなります。
以下のとおり一定の例外はありますが、合意分割では要件を充たすケースは稀ですし、第3号分割でも期限が厳しくなっています。

2 合意分割の場合
合意分割の場合には、按分割合について合意している公正証書等が存在するか、あるいは、裁判所の手続で按分割合が確定しているなら、それを裏づける調書等を添付して合意分割の手続が可能です。ただし、これも死亡した日から1か月以内に請求をしないといけません。(厚生年金法施行令第3条の12の7)
逆に言えば、按分割合を定める手続きをしていない時点で相手方が死亡していたら、年金分割の余地がなくなります。

3 第3号分割の場合
第3号分割については、死亡した日から1か月以内に請求すれば、手続は可能です。(厚生年金法施行令第3条の12の14)

以上のとおり、離婚した後に年金分割請求をしようと思っていたら、離婚後に元配偶者が死亡してしまったというケースでは、年金分割できる余地が大幅に狭まります。離婚前に死亡したなら遺族年金を受給できるのと対比しても問題がありますが、以上の法制度を前提にするなら、離婚と年金分割はセットで行うように注意した方がいいでしょう。

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