離婚問題について

過去の取扱事例にもとづくQ&Aです。 これ以外の疑問点やご質問もお気軽にお尋ねください。 こんなことを相談できるのかなと思うようなことでも、法律で解決できることはたくさんあります。また、問題が大きくなる前にご相談いただくことで、容易に解決することもあります。心配なことや疑問に思っていることがありましたら、お早めにご相談ください。

奪われた子どもの取り戻し

Q

 離婚協議中ですが、相手方は子どもの親権を譲ったものの、面会交流を求めています。しかし、これを認めると後で子どもを返さなくなるのではないかと心配です。拒むことはできませんか。

A

親と子どもの面会交流は、児童虐待などのおそれがないかぎり認められる傾向にあります。しかし、仮に、相手方が、面会交流の際、子どもを返さなかった場合には、家庭裁判所に子の引き渡しの審判申し立てができます。
中には審判が出ても引き渡さないケースが稀にありますが、そのときは、地方裁判所に人身保護請求の申し立てができます。裁判は1回で済み、その日のうちに結論が出ます。相手方が拒否しても刑事罰に問われるので引き渡しを拒否することはできません。当事務所でもこの制度を利用して子どもを取り戻した事例があります(名古屋地裁岡崎支部2013年12月18日判決)。

親子の面会交流

Q

妻の不倫が発覚し、妻が子どもを連れて家を出て行ったあと、私と子どもを面会をさせようとしません。妻は、子どもが私との面会を嫌っていると子どものせいにしています。私は妻の不倫が原因で子どもと離ればなれになったのに、どうして面会できないのか納得できません。どうすればいいのでしょうか。

A

夫婦(又は元夫婦)が別居した場合に、監護していない親は、監護している親に対して、子どもと面会して交流するよう求めることができます。裁判所も、DVなど面会交流を禁止・制限する理由がない場合には、面会交流を認める傾向にあります。
そして、家庭裁判所の調停又は審判(決定)で面会交流を決めても、監護している親が面会させない場合には、面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡しの方法等が具体的に定められているときは間接強制決定をすることができます(最高裁平成25年3月28日決定)。
当事務所が扱った案件でも、具体的実施要領を認めた裁判所の決定や判決が次のとおり出ています。これらの裁判例は、子供の拒否的態度は面会を認めない理由にならないとして、具体的実施要領を言い渡しています。
① 名古屋高裁民事第1部平成26年4月10日決定
② 名古屋高裁民事第4部平成26年12月5日判決
また、一審(家庭裁判所)の審判では直接の面会が否定されたものの、即時抗告をした結果、改めて調査がなされて、直接の面会を認める内容で合意が成立した事例もあります。

財産分与請求権を保全するための処分禁止の仮処分

Q

私は夫と離婚調停中ですが,私と子どもは結婚後に買った夫名義の自宅に居住し続け,夫は自分の実家に戻って,別居生活しています。先日夫から,夫名義の自宅を売りに出すので,早く出て行くよう言われました。自宅を売られないための方法はありますか。

A

財産分与請求権を保全するため,処分禁止の仮処分申立てを行うという方法が考えられます。結婚後に買った自宅は,夫名義でも夫婦の実質的共有財産と評価できるからです。

離婚訴訟における移送申立

Q

私と小学生の子どもは三重県内に住み,夫は東北地方に単身赴任しています。単身赴任先での夫の浮気発覚から,夫婦仲は悪くなりました。先日,東北地方のA家庭裁判所から離婚訴訟の訴状が届きました。訴状で夫は私との離婚と,子どもの親権者を夫とすることを求めています。A家庭裁判所までは遠方なので,三重県内の家庭裁判所で審理していただける方法はありますか。

A

移送申立をする方法が考えられます。離婚訴訟の管轄においては,未成年の子どもの住所を考慮しなければならなりません。本事例では小学生の子どもが三重県内に住んでいるので,管轄を決めるための考慮要素になるからです。

親子関係(300日問題)

Q

別居してから元夫と離婚しましたが,離婚後300日経過する前に子を出産しました。本当の父親は交際相手の彼氏の子どもなのですが,そのまま出生届を出すと元夫の子と扱われるといわれました。どうすればいいのでしょうか。

A

実の父親に認知調停を申し立てる方法があります。扱った事例では,裁判所でDNA鑑定をした上で,裁判所が認知を認める審判(決定)を下し,それとあわせて出生届を出すことで最初から実の父親の子どもとして扱われました。裁判所では,「親子関係不存在確認」調停をするよういわれることがありますが,認知調停の方が元夫の協力が不要で手続がスムーズです。

婚姻費用

Q

妻が勝手に家を出て行き,婚姻費用の請求をしてきました。私は失業していたのですが,裁判所は以前の収入を元にして婚姻費用を決定しました。どうにかなりませんか。

A

婚姻費用を定める家庭裁判所の審判書が届いてから,2週間以内に即時抗告という不服申し立てをできます。婚姻費用は双方の収入を元に決定されますが,働いていなくても,それ以前の収入を基準に決定されることもあります。しかし,失業がやむを得ない事情による場合であれば,相当程度に減額した額で算定されることも少なくありません。扱った事例では,即時抗告したところ,家庭裁判所で決められた額の半分以下にまで減額が認められました。

離婚と別居期間

Q

妻との性格が合わず,離婚を考えていますが,妻が応じません。別居すれば離婚は認められますか。

A

妻の不倫や暴力といった事情がなくても,相当程度の期間の別居等の事情があれば離婚が認められます。この別居期間については,3年間程度は必要だという説明も見受けられますが,他の諸事情との兼ね合いで判断されることなので一概に言えません。扱った事例でも,婚姻期間が30年間程度と長期間の夫婦でも,2年弱(訴訟を起こした時点では1年弱)の別居期間で離婚が認められた判決もあります。