過去の取扱事例にもとづくQ&Aです。 これ以外の疑問点やご質問もお気軽にお尋ねください。 こんなことを相談できるのかなと思うようなことでも、法律で解決できることはたくさんあります。また、問題が大きくなる前にご相談いただくことで、容易に解決することもあります。心配なことや疑問に思っていることがありましたら、お早めにご相談ください。

不当な退職勧奨

Q

勤務先で正社員として働いています。上司から、営業成績が悪いので会社を辞めるようにといって、先日、退職届のひな型を渡されました。上司からは毎日のように「自主退職の方が君に有利だから早く退職届を出すように。」と急かされています。退職届を出さなければならないのでしょうか?

A

退職届を出す必要はありません。
退職届を出すかどうかは、労働者が個人の意思で決めればよいことです。
退職勧奨は、退職してもらえないかという会社から労働者に対する単なる「お願い」でしかありません。労働者は、会社からの退職勧奨に応じる義務はありません。
もっとも、しつこく退職勧奨してくる場合には、自分だけで抵抗するのは困難です。弁護士に相談して対策を考える、労働組合に加入して解決を図るなどの形で対抗策を考える必要があります。

逮捕・勾留後の差し入れについて

Q

遠方の警察によって家族が逮捕されて勾留されているのですが、仕事の関係上、警察署まで服や本を差し入れに行けません。何とかなりませんか。

A

警察署で勾留中の方への差し入れ方法は、持参でなくとも大丈夫です。
郵送等で警察署に送る方法でも差し入れはできます。
もっとも、紐が付いている衣服・本は差し入れができませんし、他にも差し入れができない物があるので、ご注意下さい。

奪われた子どもの取り戻し

Q

 離婚協議中ですが、相手方は子どもの親権を譲ったものの、面会交流を求めています。しかし、これを認めると後で子どもを返さなくなるのではないかと心配です。拒むことはできませんか。

A

親と子どもの面会交流は、児童虐待などのおそれがないかぎり認められる傾向にあります。しかし、仮に、相手方が、面会交流の際、子どもを返さなかった場合には、家庭裁判所に子の引き渡しの審判申し立てができます。
中には審判が出ても引き渡さないケースが稀にありますが、そのときは、地方裁判所に人身保護請求の申し立てができます。裁判は1回で済み、その日のうちに結論が出ます。相手方が拒否しても刑事罰に問われるので引き渡しを拒否することはできません。当事務所でもこの制度を利用して子どもを取り戻した事例があります(名古屋地裁岡崎支部2013年12月18日判決)。

近隣との騒音トラブル

Q

 自宅近くの工場建物の換気扇騒音に悩まされています。市役所の職員に来てもらいましたが、騒音規制法の対象地域ではないとして強い指導をしてもらえませんでした。効果的な方法はあるのでしょうか。

A

騒音規制法は、工場、建設工事、自動車による騒音を行政的に規制するもので、都道府県知事もしくは町村が定めた規制地域内に適用されるものです。しかし、規制地域ではなくても、環境基本法の定める基準を超えていれば、直接事業者に対して訴えることが可能です。住居地域なら一般的に昼間55デシベル、夜間45デシベルを超えていれば環境基準に違反しているといえます。当事務所でも、類似案件で事業者に対して騒音対策をとるよう求めた民事調停事件で消音装置を取り付けるという調停を成立させて解決した事例があります。

過労死

Q

トラック運転手をしている夫が長時間労働による過労の蓄積で心臓病が悪化し、亡くなりました。労働災害と認められる長時間労働とはどの程度をいうのでしょうか。

A

厚生労働省は、労働者が長時間労働による過労の蓄積で脳疾患又は心臓疾患にかかり死亡したり後遺障害になった場合の労災認定基準を定めています。
それによると、被災前2か月間ないし6か月間の1か月当たり概ね80時間を超える時間外労働があった時としています。しかし、80時間を切っていても裁判で労災と認定されることはあります。当事務所では、被災前3か月は平均60時間を切っていたケースで、半年間平均がだいたい80時間程度であれば労災に該当するとした判決を得ています(津地裁2014年5月21日判決)。

一括借り上げ前提のアパート建築

Q

建設会社から、「私どもで30年間、一括借り上げをして賃料を支払いますので、空地にアパートを建設しませんか」と勧誘されましたが、心配ないでしょうか。

A

このような契約は、必ずしも30年間定額の家賃が保証されるわけではなく、将来的には、建設会社から支払われる家賃が減額されることが契約書に書いてありますので注意してください。
また、10年経過したころに、修繕をしないと借り手が見つからないといって、高額な修繕費がかかることが多いです。
さらに、建築する際に、空室のリスクを上乗した建築費用になっている場合があります。アパートの建築は他の業者に頼むから借り上げだけを一括してくださいと申し出ても、多くの業者は、借り上げをしてくれないでしょう。
一括借り上げの契約をする場合は、以上の点を注意してください。

失効した株券

Q

以前、株を購入して株券を譲り受けていましたが、会社に届出をして名義変更することを怠っていたら、株券が電子化されて、株主だと認めてもらえません。どうしたらいいでしょうか。

A

平成21年1月に株券電子化が実施されたため、株券を持っていても、名義書換えをしておらず会社の株主名簿に反映されていないと株主だと主張できなくなります。名義書換えを忘れたまま株券が電子化されて無意味になってしまったというケースが時折あるようです。
このような場合、売主が協力してくれれば共同で会社に申請することで名義書換をすることができます。
売主の協力が得られない場合、株を購入したことを裏づける証拠があれば、売主に対して訴訟を起こして判決を得ることで、名義書換をすることができます。売主が行方不明になっていても、売主の所在を捜した上で見つからなければ、行方不明の売主に対して裁判をして同様に解決をすることができます。当事務所の取扱事例でも、そのような形で解決したケースがあります。