石坂 俊雄の記事一覧

三重合同法律事務所事務所コラム

石坂 俊雄の記事

老後の2000万円問題

2019年8月13日


                                       弁護士 石坂 俊雄

DSC_石坂0038風子:爺、老後に2000万円必要であると金融庁の報告が出てたけど、どういうことなの。
爺 :これは、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦場合、毎月の支出は約26万円かかるのに対して二人の年金が約21万円しかないので、毎月5万円足りなくなるから、60~65歳から、30年生きるとすると2000万円程度の蓄えがないと生活が十分できないということだよ。
風子:でも、60歳以上の夫婦は、通常年金を21万円程度もらっているの。
爺 :そこが難しいところだね。夫婦が二人ともサラリーマンとして働き、定年まで働いていれば、合計21万円の年金はあることが考えられるが、自営業者は、国民年金だから、月5~6万円なので、二人合わせても10万~12万円にしかならないよね。なかなか21万円には届かないね。
 このモデルは、夫65歳以上、妻60歳以上だが、今、40歳の人は、現在よりもらう年金が減少すると政府は考えているから、もっと蓄えが必要となるね。
風子:私は、2000万円も貯められるか、自信ないわ。
爺 :この報告書の問題点は、老後の資金として2000万円足らないと問題になっているが、爺は、別の問題があると考えているのだよ。
風子:どんな問題なの。
爺 :それは、老後の資金を確保するために「つみたてNISA(ニイサ)」や「iDECO(イデコ)」を購入し,資産を増やしなさいと報告書で誘導していることだよ。
風子:つみたてNISA(ニイサ)やiDECO(イデコ)て何。
爺 :つみたてNISA(ニイサ)とは、簡単に言えば投資信託だよ。投資信託は、当然、購入した商品が下落すれば、損失を被るね。
    iDECO(イデコ)とは、個人型確定拠出年金で、これも投資信託をして運用するのだから、運用に失敗すると損失を被るのだ。
    この報告書は、損失を被ることは、知らせずに、まだ、この商品の利用が国民の一部に留まっており、知られていないので、もっと利用するようにと誘導していることだよ。
風子:どうして、損失を被る可能ある商品の宣伝を報告書がしているの。
爺 :この報告書の委員には、証券会社や投資信託を進める人が相当数入っているからだよ。
風子:安心して、年金だけで生活できる老後を送るには、どうしたらよいか、政府はもっと国民の方に顔を向けて予算を措置をして欲しいわね。
    ところで、爺は、最近、自転車のロングライドをしているようだけどどんなところを走っているの。
爺 :しまなみ海道を尾道から愛媛の今治まで行き、渡り折り返す130キロの大会や軽井沢に行って、浅間山をぐるっと回る120㎞の大会等に参加しているよ。
風子:ふーん。怪我しないように走ってよ。


防災訓練

2019年1月2日


弁護士 石坂 俊雄

石坂写真

風子: 爺、昨年10月津市の防災訓練に参加したんだって。どうして参加することになったの。
爺 : 誰でも参加はできるのだが、爺は、自治会長をしているので役職上も参加せざるを得なかったからだよ。
風子: どんな規模の訓練だったの
爺 : 参加団体は、行政、議会、消防、自衛隊、海上保安庁、自治会、医師会、薬剤師会等である。参加人数1,100人の大規模訓練だよ。広大な場所が必要となり、津市久居にある自衛隊のグランドを使用して行われたのだよ。
風子: どんな訓練をしたの。  
爺 : ヘリコプターによる救助訓練、医師のトリアージ(緊急に治療の必要な被害者から治療をするために被害者の選別を行う)、倒壊建物からの救助、家屋内の対処法、防災器具の使用方法、土嚢の作り方、地震体験車への乗車などがあったよ。
風子: 爺の自治会では、どの訓練に参加したの。
爺 : 自治会は、防災器具の使用方法と土嚢の作成及び積み方を消防の人に教えてもらったんだよ。
風子: 具体的にはどんなこと。
爺 : 防災器具とはね、発電機の使用方法だよ。最新の発電機は、燃料が、ガソリンではなく、屋外でバーベキューをするときに使うのと同じガスボンベ2本だったね。
風子: ガスボンベだと、安全で、長期間保管ができるからいいわね。どのくらいの時間発電できるの。
爺 : それが、運転時間が約1時間と短いのが難点だね。燃料が、ガソリンの発電機ならば、もっと長時間運転可能なのだが、ガソリンは、保存期間が短いのと保存場所の確保に難点があるね。
風子: 一長一短があるのね。その発電機は簡単に移動できるの。
爺 : そこが問題で、重くて、大人一人で運ぶことは困難だね。もっと軽量化が必要だね。
風子: 弁護士会は災害訓練をしているの。
爺 : 弁護士会には、災害対策委員会という委員会があり、爺も委員だよ。
風子: どんなことをしているの。
爺 : 災害直後には、弁護士への需要はないだろうが、しばらくすれば、様々な法律問題が発生するんだよ。
風子: 例えば、どんなこと。
爺 : 隣家が自分の家に倒れかかっているがどうしたらよいかとか。被災した借家が危険なので出て行ってくれないかとか。会社が被災して事業継続が難しいので退職してもらえないかとか。新築した家が倒れ、ローンが残っているがどうしたらよいか等、多くの相談が寄せられるんだよ。
風子: そうか、災害に遭うと色々と問題が出てくるのね。
爺 : 弁護士会は、県と相談事業の方法などについて協定を結んで相談活動がスムーズに行われるようにしているし、災害が起きたときには、通常の相談とは異なる相談が持ち込まれるため、そのための研鑽をしているのだよ。
風子: そうなんだ。ところで、爺、昨年はどんなスポーツをした。  
爺 :  昨年から自転車で速さを競わずに時間内にゴールをするロングライドの自転車の大会に出ているんだよ。
風子: 例えば、どんな大会に出たの。
爺 : 9月に淡路島150㎞を1周する大会に参加したよ。ゴールするのに休憩時間も入れて8時間かかったね。1,000人以上が参加したが、マイペースで走ればよく、楽しかったよ。


森友文書改ざんの財務省報告書は真実を語るか

2018年8月16日


 弁護士 石坂俊雄

DSC_0012風子: 爺、6月4日に財務省が提出した森友学園の14件の決裁文書を廃棄・改ざんした報告書を読んだの。
爺 : 読んだよ。報告書の内容は肝腎のところの調査がされてないね。例えば、なぜ、文書を廃棄・改ざんしなければならなかったかの動機については、何も触れられていない。安倍首相の「自分、または妻が関与していれば、首相も国会議員も辞める」と発言したこととの関連で、忖度をしたのか否かについては、調査もしていない。ひどい内容だ。
風子: 報告書の記載には、問題点はないの。 
爺 : 通常では、理解しがたいことが書いてあるね。
         佐川理財局長は、安倍首相の前記発言を受け、管財部長に安倍夫人の名前が入った書類があるか確認を求めたところ、部長は、「夫人本人からの照会はない、夫人付の職員から照会があるが、内容は特段問題となるものではない」との認識を示した。理財局総務課長は、部長の指示により、政治関係者の記載がある文書のリストを作成し理財局長に提出したら、理財局長は、「応接録の取扱は文書管理にルールにしたがって、適切に行われるように」とのことであったという。課長は、これは、政治関係者との応接録は廃棄する指示と受け止めたというのである。
    その後、国会で理財局長が森友学園との応接記録があるのにもかかわらず、「ない」と答え。国会答弁後、理財局長より、答弁内容を踏まえた文書管理の念押しが総務課長にあった。課長は、また、廃棄すべきであると指示されたと受け止めたという。しかし、管財部長は、部内職員に「廃棄せよ」とは言わず、「適切な文書管理を行うべきだ」と周知した。そして、これを受け、職員により応接録の廃棄が進められたという。
風子: これは、日本語として、おかしいわね。「適切な管理」を「廃棄」であると理解し、文書があるのに「文書がない」と理財局長が答えた後で、存在する文書の廃棄を検討し、部長は、部下に「適切な文書管理を行うべき」と伝え、部下は、それを廃棄することと理解し、廃棄してします。理解できないわ。
爺 :  そうだね。真実は、安倍首相夫人に関係する文書があったため、「ある文書」を「ない」と理財局長は答えた。そして、廃棄せよと指示したため、部下は廃棄せざるを得なかったのではないかね。
風子:  麻生財務大臣は、公文書を廃棄し、改ざんした理財局長の国税庁長官にしたことを未だ適材適所と主張しているわね。私でも知っている公文書管理法の「公文書等は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であること」を知らないのね。


国民投票てなんですか

2018年1月1日


 

                                            弁護士 石 坂 俊 雄

石坂写真風子: 安倍首相は,昨秋の選挙で勝利して、憲法9条を改正しようとしているけど、国会で憲法改正することを決議すれば、憲法は改正されてしまうの。
 爺: 昨年の選挙では、また自民党が勝利したので、憲法を改正を主張している議員数が衆議院でも参議院でもその議席数の3分の2を超えているよね。だから、国会は両議院の議員の3分の2の賛成があれば、憲法改正の発議ができることになるね。でも、憲法96条により、発議を受けて、国民投票をしなければならないことになっているのだ。そのためにの法律として、「日本国憲法改正の手続きに関する法律」というがあるよ。
風子: 憲法を改正するためには、国会の議決だけではなく、国民の投票により決まるのね。それは何時やるの。
 爺: そうだね。衆・参両議院の発議を受けて、60日から180日の間に国民投票を行うことになっているよ。
風子: 60日は2ヶ月だから、短いよね。180日くらいは、投票のために準備期間としてほしいね。何歳の人から投票ができるの。
 爺: 18歳からできるよ。昨年の選挙結果を見ると10代から30代の若い人は,保守的傾向が強いという世論調査がでているから、9条の改正についても、宣伝いかんによっては、結果がどうなるかわからないところがあるね。
風子: 投票率が50%以下でも、その過半数の25%が9条改正に賛成したら、改正されてしまうということ。 
 爺: 今の制度では、最低投票率の定めはないので、投票率が低くても、無効票を除いた投票総数の過半数をとれば、よいことになるね。
風子: それは、今の小選挙区制と同じね。民意を反映しているとはいえないよね。すると多くの人に投票をしてもらうことが重要ね。9条に賛成、反対の運動、宣伝活動は制限があるの。
 爺: 選挙と違い、公務員と教育者の地位を利用した投票運動以外は,何んでも自由にできるよ。
風子: テレビやラジオのコマーシャルを使い賛成・反対の宣伝もできるの。
 爺: 投票日の2週間前までは、自由にできるよ。だから、資金がある組織が、テレビ・ラジオを使い9条の改正に賛成しましょうというコマーシャルを流すと、その影響は大きいね。この点は、検討の余地があるね。
風子: それでは、私たちは、平和憲法9条が改正されないように、若い人にもブログ、メール、ライン等を使って宣伝することが必要ね。
 爺: そうだね、工夫をした宣伝をする必要があるね。
風子: 爺は、今年は71歳になるけど、まだ走るつもり。
 爺: 昨年は、10回くらいの大会に出たからね。今年も適当に走り、泳ぎ、自転車に乗りつもりだよ。

 


公文書の管理はどうなっているのか

2017年7月31日


 

                                                    弁護士 石坂俊雄

風子: 爺、質問があるんだけど。自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報や森本学園問題、加計学園問題について国の文書がなかったり、文書があることを指摘されると関係省庁は、確認できないと言っているけど、国は、国民の税金を使っているのに、どのような経過で税金を使ったかという文書は残す必要はないの。
爺 : 8年前の平成21年の制定された「公文書管理法」によれば、次のように書かれているよ。「公文書等は、①健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であること、②主権者である国民が主体的に利用しうるものであるから、適切な管理・保存、利用を図ること、③国の諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務を負っていること。」(公文書管理法第1条)。
風子: すると、国は、現在及び将来に国民に説明するために、公文書を適切に管理・保存する義務があるのに、どうして文書がないことになるの。
爺 : 国は、公文書は作成していると考えられるが、時に政府に都合が悪い文書は、無いことにするのだよ。
    例えば、南スーダンでの自衛隊のPKO活動の文書は、当初は、廃棄してい無いと言いながら、その後、発見されたといって出てきたね。 また、森本学園の文書も保存期間が1年未満と定められている文書だから、国は、契約が成立した後の廃棄したと言っているね。
風子: 保存期間が1年未満の文書であれば、いつでも廃棄できるの。
爺 : ここが問題で、各省庁が保存期間を1年未満と定めれば、公文書管理法の文書管理の例外として、自由に処分できることなるのだよ。
風子: 誰が、文書の保存期間を決めるの。
爺 : 一応、政令で文書ごとに保存期間が決まっているが、すべての文書の保存期間が網羅されているわけではないね。保存期間を1年未満と決めた文書は、文書管理簿の作成義務がなく、廃棄ができるだ。ただ、どのような文書が1年未満の文書に当たるのかという定義づけがされていないので、公開されたら都合の悪い文書は、各省庁で1年未満の文書として廃棄するか、存在しても廃棄したと言えることになっているのだよ。
風子: 森本学園の文書は、国有地を売っているのに1年未満しか保存義務がないの。
爺 : 森本学園の文書は、国の財産の売却だから、その交渉記録は、将来、会計検査院の検査の対象になる文書だよ。だから、本来は、保存期間は最低でも5年のはずだが、勝手に1年未満としているので。
風子: 加計学園では、総理大臣が関係していることをうかがわせる文書が出てきて、前文部次官がその文書は本物で、それに基づいて説明を受けと発言しているのにもかかわらず、政府は、そのような文書は確認できないと逃げているよね。
爺 : 加計学園については、総理大臣から、圧力があったことをうかがわせるのに十分な文書が出てきているのにもかかわらず、政府が知らぬ存ぜぬで逃げ切るとしたら、明らかに公文書管理法に違反するね。
    政府は、現在及び将来の国民にきちんと説明する責務があるね。 公文書管理法に反することを平然と述べているような政府には、早く退陣をしてもらいたいね。
風子: そうよね。公文書は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であることを自覚して適切に管理してもらいたいわね。石坂写真2017夏号


南スーダンへのPKO派遣

2017年1月1日


弁護士 石坂 俊雄

石坂写真

風子: 爺、昨年の10月ごろ南スーダンへの自衛隊派遣の延長というニュースが流れていたけど、これは何。
爺 : 南スーダンへの自衛隊派遣は、昨年10月末で終了する予定であったが5ヶ月間延期して、今年の3月まで派遣をすることにしたんだ。
風子: 南スーダンという国はどのあたりにあるの。
爺 : 地図の位置関係では、アフリカの地中海に面したエジプトの下にスーダンがありその下にあるよ。6年前にスーダンが独立した国で、エチオピア、ケニア、ウガンダ、コンゴ、中央アフリカ共和国の6カ国に囲まれているのだ。
風子: ところで、PKOとはどんなことをするの。
爺 : PKOは、「国連平和維持活動」の略語で、紛争が発生していた地域において、紛争当事者間で停戦合意が成立したあとに、国連の安全保障理事会の決議に基づき、両当事者の間に立って停戦や軍の撤退を監視することで再び紛争が発生することを防ぐ活動だ。
    現在では、その任務が多様化して、難民支援から復興開発まで行っているのだ。
風子: 南スーダンは、政府軍と反政府軍争いや、部族間の対立があり、治安が乱れているとニュースで流れていたけど、大丈夫なの。
爺 : PKO派遣には、5つの原則があり、その一つに「紛争当事者間で停戦合意が成立していること」という大原則があるが、南スーダンの現状は、この原則に反しているよね。
風子: 5原則にも反しているのに、なぜ、政府は、自衛隊の派遣を延長したの。
爺 : それは、戦争法制が成立し、自衛隊に「駆けつけ警護」等の新任務をさせたいからだよ。
風子: 「駆けつけ警護」とは、どんな警護。
爺 : 「駆けつけ警護」とは、自衛隊がPKO活動をしている最中に、別の活動をしている国連職員やNGOの人達が襲われたときに、そこに駆けつけて警護することだよ。
    「駆けつけ警護」を認めると、敵と戦闘状態になるわけだから、自衛隊員は敵を倒すし、隊員も死亡するかもしれないね。
風子: でも、同じく平和を維持するために働いている外国の人が近くで、誰かに襲われたら、その人たちを助けなければかわいそうでしょ。
爺 : そういうことも言えるな。だから、そのような危険地帯ではPKO活動をしないために5原則があるのだが、だんだん、緩和されているために、このような問題が起きてくるよね。
    また、戦闘行為に入り、自衛隊員が死亡する可能性がある分けだから、憲法9条との関係をどうするのか、それでも、派遣をするのなら、国民の間で、派遣やむなしのコンセンサスが得られていないいけないね。現状では、事故が起きた場合、大きな問題になるね。
風子: 問題点が分かったわ。ありがとう。
   ところで、爺は、今年で70歳にだけど、まだ、トライアスロン等の大会に参加するの。
爺 : ああ、昨年は、80代の人が3人出てたので、しばらくは出るつもりだ。


成年後見制度の利用促進法とは

2016年7月1日


 

石坂写真

弁護士 石坂 俊雄

風子  爺々、「成年後見制度の利用促進法」が今年の5月13日から施行されているとい聞いたがどんな法律。
爺々   この法律は、我が国には認知症の人が462万円、その予備軍が400万人いると言われており、年々増加する傾向にあるため、後見人の制度の利用を進めるための法律だよ。
風子 ふーん、どんなことが書いてあるの。
爺々 施策として11項目にわたり、色々書かれているが、主なものは、①後見人が選任されると本人の権利は制限されることになるが、その権利制限がもう少し是正できないか検討して欲しいとか、②身よりも資産もない方が認知症になったときに後見人の申立人を市町村ができることになっているが、その活用をもっとすすめるべきだとか、③お金のない人のために第三者が後見人になったときに市長村が、後見人の報酬を助成する制度を充実させるとか、④裁判所を含む関係機関に人的体制の強化を求めることなどが書いてあるよ。
風子 以前、後見人が選任されると、本人の選挙権がなくなり、選挙権まで奪う必要性がないのではないかということで、選挙権は回復されたわね。それ以外にどんな権利制限を是正して欲しいと言ってるのかしら。
爺々 例えば、公務員になる資格とか、会社の取締役になる資格とか奪わなくてもいいのではないかという議論がされているようだね。
   しかし、これは、なかなか難しい問題でね。本人が、意味を分からずに契約をしたときに、今なら、後見人が付いていると言うことだけで契約の取消ができるんだよ。それが、公務員資格などを認めると公務員として仕事をしているのだから、契約の意味は理解していたと言われると、簡単に契約の取消ができなくなるよね。
風子 本人のとって良いことであると考えて決めたことが、別の面では不利にはたらく可能性があるのね。
爺々 そうだね。また、後見人が必要な人は、財産を持っている人だけではなく、財産のない人も、入院するための契約、施設に入る契約、介護事業者との契約など自分では契約する能力がないから後見人は必要だよね。
   ただ、弁護士などの専門家が後見人になれば、後見人の仕事に対する報酬が必要になるよね。その費用を本人が出す能力がない場合は市町村が助成する制度がより充実すれは、認知症の方が安心して生活できるようになるので、もっと助成制度はすすめる必要があるね。
風子 ところで、爺々、今年の夏もトライアスロンの大会にでる予定はあるの。
爺々 ああ、7月はすでに参加したよ。あと、8月、9月に出場予定をしているよ。私より年寄りは、多くて10名、少ないと1名程度だが、真ん中より少し後ろぐらいでゴールするから、まずまずだね。
風子 まあ、無理せず、完走をめざして下さいね。


過労死防止法を実行あらしめるために

2016年1月1日


 

弁護士 石坂俊雄

石坂俊雄 2016風子  爺々、過労死する人をなくすために法律ができたの。
爺々   過労死等防止対策推進法が提出され、平成26年6月に全会一致で可決成立して、平成26年11月1日に施行されているんだ。
   この法律を実行あるものにするために政府は、「過労死等の防止のための対策に対する大綱」を平成27年7月に作ったのさ。
風子 その大綱には、どんなことが書いてあるの。
爺々 それは、この大綱にかかれていることが本当に実行されたら、過労死はなくなるのではないかというようなことが書かれているよ。
風子 例えば、どんなこと。
爺々 国が重点的に取り組まなければならない対策としてな、過労死の調査研究等、啓発、相談体制の整備等、民間団体の活動に対する支援活動をしなさいとなっているね。
風子 過労死をしないためにどうしたらよいかについては、何かかいてあるの。
爺々 書いてあるよ。国の啓発活動として、中学校、高等学校等において、勤労の権利と義務、労働問題、労働条件の改善、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)について理解を深める指導がしっかりと行われるよう、学習指導要領の趣旨の徹底を図るとあるね。
風子 会社は、過労死を防止するために何かするの。
爺々 会社は、労働安全衛生法により、職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならないので、会社は、国が行う色々な対策に協力して、過労死等の防止のための対策に取り組むよう努めるようにと書いてあるね。
   さらに、会社の経営幹部は、先頭に立って、働き方改革、年次有給休暇の取得促進、メンタルヘルス対策、パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組等を推進するよう努めるべきであるとあるよ。
風子 本当にこのようなことを国が会社に要請して、その実施状況の確認を取るまでのことをすれば、過労死により死亡したら、障害を負ったりする人は少なくなるわね。
   ところで、爺々は、過労死しないためといって、まだ、運動しているの。
爺々 まだ、走っているよ。過労死しないためにストレスを発散することが必要だからね。昨年の秋も京都の北山の奥で山の中を走るトレイルランの大会にでてきたよ。
風子 歳も考え、あまり過激な運動はしない方がいいんじゃない。
爺々 そうだね。心配してくれてありがとう。 


戦争法制

2015年7月31日

弁護士 石坂 俊雄

写真・石坂

風子: おじいちゃん、安倍首相は、今の国会に提出している安全保障関連法案について、「我が国の平和と安全を守る」ために提出していると説明しているのに、「国の平和と安全を守る」法律がなぜ、戦争法制であると言われているの?
祖父: それはね、日本が攻撃をされているわけではなくて、他の国(例えば、米国)が攻撃をされている時でも、自衛隊をその国のために派遣できるようしたり、米国が始めた戦争に参加し、戦場のすぐ後ろで、弾薬、燃料、食料等を米軍のために運ぶようにするための法律だからだよ。
集団的自衛権という言葉を使っているが、我が国を自衛するのではなく、他国の戦争に荷担するということだらからだよ。憲法違反の法律であると憲法学者も言ってるね。
風子: でも安倍首相は、米国の軍艦に日本人が保護されているときに、その米艦が攻撃されたら、日本の自衛隊は、米艦の援護をしなくて良いのかと言っているよ。
祖父: この例の想定としては、朝鮮半島有事の時に、韓国にいる日本人を米艦に乗船させ、日本まで輸送することを考えているようなのだが、このようなことは考えられないね。米国は、仮に、そのようなことが起きた場合でも米艦に日本人を乗せることはないといっているし、韓国には、米国人も何万人もいるので、乗せるとしたら、米国人であり、日本人が米艦に乗ることなどあり得ないね。だから、安倍首相が説明しているようなことは起こらないと言うことだ。 
風子: 中東のホルムズ海峡にイランが機雷を敷設したら、自衛隊がそれを除去するために中東まで行くの。
祖父: 日本からはるか離れたところにある海峡に機雷を敷設されることが、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」(存立危機事態)といえるか、ということだが、通常は、そのようなことがあったとしても、我が国の「存立危機事態」であるとはいえないよね。しかし、安倍さんは、原油の輸入が長期間止まれば、国民生活に重大な影響が及ぶこともあり、集団的自衛権により自衛隊の機雷掃海ができるということを否定していないところが問題だ。
しかも、緊急であれば、国会の承認は、事前に得る必要もない。そして、国会での説明も特定秘密保護法により、防衛・外交に係わることは秘密だから、なぜ、集団的自衛権が行使されたのか、明らかにならないね。
風子: すると、その時の政府の判断で、知らないうちに、戦争が始まっていたということになりかねないのね。
祖父: そうだよ。海外に自衛隊が出て行くことになると、その費用もかかるから、いずれ、消費税を更に上げることなど、増税の話が出てきて、年金などの社会保障費は、削減される可能性が高いね。
風子: 何か嫌な世の中になる予感がするわ。私達の時代が戦争をしている時代になることは防がなくては。


特定秘密保護法とはどんな法律

2015年1月1日


弁護士 石坂 俊雄

風子: 先生、特定秘密保護法という法律が昨年12月に施行されたそうですが、どんな法律なの。
教授: この法律は、①防衛、②外交、③スパイ活動の防止、④テロ防止のための情報は、国の安全保障上重要な情報であるとして秘密してしまう法律だよ。
風子: 誰が安全保障上重要な情報であると決めるの。
教授: それは、各省の大臣が秘密情報であると指定すると特定秘密として秘密になったしまうのだ。
風子: それって、政府に都合の悪い情報を国民に知らせないということにならないの。
教授: その心配は十分にあるね。何が秘密であるかが秘密だから、政府が違法な秘密も秘密にしてしまうと、その内容は分からないこととなるね。
風子: でも、国の情報は国民のものでしょ。いつかは、秘密に指定した情報も国民に明らかなるんでしょ。
教授: それがそうでもない。秘密指定の期間は、原則5年間だが、更新ができ、30年まで更新が可能だ。また、内閣の承認を得れば60年まで更新できる。更に、「武器・弾薬・航空機その他防衛に要する物」等は60年を超えても秘密にできることになっている。
風子: そんなことは、ダメよダメ・ダメ。60年も秘密なら、私は生きていないわ。違法秘密をチェックする機関はないの。
教授: 政府は、「内閣保全監視委員会」、「独立公文書管理監・情報保全観察室」という二つの機関を作るといっているが、いずれも内閣府に作るから、独立性がないんだ。また、政府は、秘密情報の提示を求められても、安全保障上問題があるといえば拒否できるんだよ。
風子: 国会はチェックできない。
教授:  国会にもチェック機関は作るが、これも、政府が安全保障上問題があるといえば国会への提出も拒否できるんだよ。だから、チェック機能は働かないことになるね。
風子: この法律の適用を受けるのは、外交や自衛隊に関与している国家公務員だけなの。
教授  そんなことはないよ。警察官も秘密を知ることになるから地方公務員にも適用され、秘密を取得した新聞記者や国民、軍事産業に係わっている民間の従業員にも適用があるよ。
風子: 秘密に指定した情報が漏れたらどうなるの。
教授: 秘密を漏らした公務員は、罰せられるし、秘密を取得した記者や国民も最長10年の懲役刑を受けることになるね。何が秘密であるかが秘密でしょ。例えば、原発反対の運動をしていた原発関係の内部文書を手に入れたりしたら、突然、国家の秘密を取得したといわれる可能性があるね。
風子: そんなことは、絶対、ダメよダメ・ダメ。
教授: 秘密情報を取材する記者や内部告発をする公務員が刑罰に処せられることを恐れて萎縮することが、一番怖いことだね。報道機関は、勇気をもって、違法な秘密は国民に知らせる努力をして欲しいね。
風子: ところで、先生、今年もマラソン等の身体を酷使することを続けるつもり。
教授: それは、身体が基本だから、しんどいけど、制限時間で切られるまでは、走るよ。 





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